○茨城町救急業務規程
平成21年6月26日
消本訓令第1号
茨城町救急業務規程(昭和48年茨城町消防本部訓令第1号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 業務管理(第3条・第4条)
第3章 救急隊(第5条―第9条)
第4章 救急活動等(第10条―第24条)
第5章 救急活動記録及び報告等(第25条―第27条)
第6章 資器材の管理・消毒等(第28条―第31条)
第7章 教育及び訓練等(第32条―第34条)
第8章 補則(第35条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は,消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)その他の関係法令の規定に基づき,茨城町(以下「町」という。)が行う救急業務の実施について,必要な事項を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この規程における用語の意義は,次の各号に定めるところによる。
(1) 救急業務 法第2条第9項に規程する業務をいう。
(2) 救急事故 救急業務の対象となる事故等で,別表第1に掲げるものをいう。
(3) 救急活動 救急業務を行うための活動又は医師等を搬送する活動で,救急隊の出場から帰署までの一連の行動をいう。
(4) 医療機関 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院及び診療所をいう。
(5) 応急処置 救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「応急処置等の基準」という。)第5条から第7条までに規定する観察及び応急処置をいう。
(6) 救急救命士 救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する者をいう。
(7) 救急自動車 道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に規定する緊急自動車の基準に適合し,救急業務を実施するために必要な構造及び設備を有するものをいう。
(8) 救急資器材 救急活動,普及業務,訓練及びその他救急業務を行うために必要な資器材をいう。
第2章 業務管理
(管理責任)
第3条 消防長は,救急事故等の実態を把握し,これに対応する救急体制の確立を図り,救急業務を適正に遂行するために必要な対策を講ずるものとする。
2 消防署長(以下「署長」という。)は,所属職員を指揮監督して,執行体制の確立を図るとともに,救急業務の万全を期するものとする。
(医療機関等との連携)
第4条 消防長及び署長は,医療機関その他救急活動等に関係ある機関及び団体と密接な連携を図るものとする。
第3章 救急隊
(救急隊の配置)
第5条 救急隊は,消防署に配置する。
(救急隊の編成)
第6条 救急隊は,救急自動車1台及び救急隊員3人以上をもって編成する。ただし,現に医療機関にある傷病者を医療上の理由により他の医療機関に搬送(以下「転院搬送」という。)する場合は,これらの医療機関に勤務する医師,看護師,准看講師又は救急救命士が救急自動車に同乗した場合に限り救急隊員2人をもって編成することができる。
(救急隊員の選任)
第7条 救急隊員は,次の各号のいずれかに該当する者のうちから署長が選任するものとする。ただし,署長が特に必要があると認めるときは,この限りでない。
(1) 救急救命士
(2) 消防法施行令(昭和36年政令第37号。)第44条第3項に該当する者
(救急隊長)
第8条 救急隊員のうち1人は,救急隊長(以下「隊長」という。)とする。
2 隊長は,消防士長以上の階級にある職員をもって充てる。
3 隊長は,上司の命を受け隊員を指揮監督し,救急業務の円滑な実施に努めなければならない。
(救急隊員の心得)
第9条 救急隊員は,次の各号に定めるところにより救急業務を実施しなければならない。
(1) 救急業務に関する関係法令を遵守すること。
(2) 職務を自覚し,傷病者及び関係者に対して常に冷静沈着に対処すること。
(3) 常に身体及び着衣の清潔保持に努めること。
(4) 救急知識及び救急技術の向上に努めること。
(5) 道路交通法(昭和35年法律第105号)その他の関係法令を遵守し,交通事故の防止に努めること。
(6) その他救急業務を円滑に実施するため必要な事項の把握に努めること。
第4章 救急活動等
(救急隊の出動区域)
第10条 救急隊の出動区域は,町全域とする。ただし,消防相互応援協定に基づく場合又は消防長が特に認めた場合は他の市町村であっても出動するものとする。
(救急隊の出動)
第11条 消防長又は署長は,救急事故が発生した旨の通報を受けたとき又は救急事故が発生したことを知ったときは,当該事故の発生場所,傷病者の数及び傷病の程度等を確かめ,直ちに所要の救急隊を出動させなければならない。
(口頭指導)
第12条 消防長又は署長は,救急要請時に指令室又は現場出動途上の救急自動車から,救急現場付近にある者に,電話等により応急手当の協力を要請し,その方法を指導するよう努めるものとする。
(傷病者の搬送)
第13条 救急隊員は,現場に出場したときは,直ちに傷病者の観察及び必要な応急処置を行うとともに,速やかに適応する医療機関に搬送するものとする。ただし,傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は,原則としてこれを搬送しないものとする。
2 救急隊員は,法令等により他の公の機関が傷病者を搬送することとなっている場合は,搬送しないことができる。
(医師の派遣要請)
第14条 隊長は,次の各号のいずれかに該当する場合は,医師を救急現場へ出動要請することができる。
(1) 傷病者の状態からみて搬送することが生命に危険であると認められる場合
(2) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合
(3) 傷病者の救助にあたり,医療を必要とする場合
(救急現場付近に在る者への協力要請)
第15条 救急隊員は,救急活動上緊急の必要があると認められる場合は,救急現場付近に在る者に対し,協力要請を求めることができる。
(医療機関の選定)
第16条 傷病者の搬送に当たっては,傷病者の症状に適応した医療が速やかに施し得る直近の医療機関を選定するものとする。ただし,傷病者又は家族等から特定の医療機関へ搬送を依頼された場合は,傷病者の症状及び救急業務上の支障の有無を判断し,可能な範囲において依頼された医療機関に搬送することができる。
(関係者の同乗)
第17条 救急隊員は,救急業務の実施に際し,傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは,つとめてこれに応ずるものとする。ただし,傷病者の処置に障害となる場合はこの限りではない。
2 救急隊員は,未成年者又は意識等に障害がある者で,正常な意思表示ができない傷病者を搬送する場合は,保護者等関係者の同乗を求めるものとする。
(死亡者の取扱い)
第18条 救急隊員は,傷病者が明らかに死亡していると認めた場合又は医師が死亡していると診断した場合は,これを搬送しないものとする。
(要保護者等の取扱い)
第19条 隊長は,生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条に定める被保護者及び要保護者と認められる場合又は行旅病人及び行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)第1条に定める行旅病人と認めた傷病者を搬送した場合は,その旨を署長に報告しなければならない。
2 署長は,前項の報告を受けたときは,消防長に報告するとともに町長に通知するものとする。
(感染症と疑われる者の取扱い)
第20条 隊長は,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症,二類感染症,新型インフルエンザ等感染症,指定感染症又は新感染症の疑いがある傷病者を搬送した場合は,救急隊員及び救急自動車等の汚染に留意し,直ちに所定の消毒を行い,この旨を署長に報告するとともに,当該傷病者に対する医師の診断結果を確認するものとする。
2 署長は,前項の報告を受けた場合,速やかに消防長に報告し,所要の措置を講ずるものとする。
(1) 現場到着時の傷病者の容態及び周囲の状況
(2) 応急処置の概要
(3) 搬送中の容態の変化
(4) その他医師の参考となる事項
(警察機関への通報及び現場保存)
第22条 救急隊員は,救急業務の実施に際し,傷病の原因に犯罪の疑いがあると認める場合は,警察署長に連絡するとともに,現場保存に留意して救急活動を実施しなければならない。
(家族等への連絡)
第23条 救急隊員は,傷病者の傷病の状況により必要があると認めるときは,その者の家族等に対し,傷病の程度又は状況等を連絡するよう努めるものとする。
(転院搬送)
第24条 転院搬送は,当該医療機関の医師の要請がある場合及び搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。
2 前項の転院搬送を行う場合は,当該医療機関の医師を同乗させるものとする。ただし,医師が同乗による病状管理の必要がないと認め,搬送中における病状管理に関して必要な措置を講じた場合,医師を同乗させることなく搬送することができる。
第5章 救急活動記録及び報告等
(救急活動記録)
第25条 隊長は,救急活動を実施した場合は,救急活動記録票に所要の事項を記載し,署長に報告するものとする。
2 署長は,特異な救急活動の報告を受けたときは,速やかにその概要を消防長に報告するものとする。
(救急事故即報)
第26条 署長は,次の各号のいずれかに該当する事故(該当するおそれがある場合を含む)が発生したことを知ったときは,直ちに消防長に報告するものとする。
(1) 死者5人以上の救急事故
(2) 死者及び負傷者の合計が15人以上の救急事故
(3) その他報道機関に取り上げられる等社会的影響度が高い事故
2 消防長は,前項の報告を受けたときは,火災・災害等即報要領(昭和59年消防災第267号)に規定するところにより消防庁長官等に報告するものとする。
第6章 資器材の管理・消毒等
(救急資器材の管理)
第28条 消防長は,救急自動車及び救急資器材の保守点検を行い,適正に管理するものとする。
(消毒)
第29条 署長は,次の各号に定めるところにより救急自動車及び救急資器材の消毒を行うものとする。
(1) 定期消毒 月1回
(2) 使用後消毒 毎使用後
2 署長は,救急隊が感染症患者と疑われる傷病者を搬送したときは,直ちに隊員の身体,衣服及び車両並びに救急資器材の消毒を行うとともに,必要な措置を行わせなければならない。
(救急廃棄物)
第31条 署長は,救急業務により排出される廃棄物を適正に処理しなければならない。
第7章 教育及び訓練等
(教育及び訓練)
第32条 消防長及び署長は,救急隊員の救急業務等に関する知識の修得及び技術の向上を図るため,教育及び訓練等の計画を作成し,実施しなければならない。
(救急調査)
第33条 消防長及び署長は,救急業務の円滑な実施を図るため,次の各号に定めるところにより調査を行うものとする。
(1) 地勢及び交通の状況
(2) 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造
(3) 医療機関等の位置及びその他必要な事項
(4) その他消防長が必要と認める事項
(住民に対する普及啓発)
第34条 消防長は,救急業務を円滑に実施するため,町民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するよう努めなければならない。
第8章 補則
(補則)
第35条 この規程に定めるもののほか,必要な事項は,消防長が別に定める。
附則
この訓令は,交付の日から施行し,平成21年4月1日から適用する。
附則(令和5年消本訓令第1号)
(施行期日)
1 この訓令は,令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際,第1条の規定による改正前の茨城町消防団協力事業所表示制度実施要綱,第2条の規定による改正前の茨城町火災予防施行規程,第3条の規定による改正前の茨城町火災予防査察規程,第4条の規定による改正前の茨城町火災予防違反処理規程,第5条の規定による改正前の茨城町消防本部甲・乙種防火管理講習に関する規程,第6条の規定による改正前の茨城町消防本部火災調査規程,第7条の規定による改正前の茨城町防火対象物・防災管理点検報告制度事務処理要綱,第8条の規定による改正前の茨城町救急業務規程,第9条の規定による改正前の茨城町消防本部応急手当普及啓発実施要綱に規定する様式による用紙で,現に残存するものは,当分の間,所要の修正を加え,なお使用することができる。
別表第1(第2条関係)
種別 | 摘要 |
1 火災 | 火災現場において直接火災に起因して生じた事故をいう。 |
2 自然災害事故 | 暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火,雪崩,地すべり,その他の異常な自然現象に起因する災害による事故をいう。 |
3 水難事故 | 水泳中(6運動競技によるものを除く。)の溺者又は水中転落等による事故をいう。 |
4 交通事故 | すべての交通機関相互の衝突及び接触又は単一事故若しくは歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故をいう。 |
5 労働災害事故 | 各種工場,事業所,作業所,工事現場等において就業中発生した事故をいう。 |
6 運動競技事故 | 運動競技の実施中に発生した事故で直接運動競技を実施している者,審判員及び関係者等の事故(ただし,観覧中の者が直接に運動競技用具等によって負傷したものは含み,競技場内の混乱によるものは含まない。)をいう。 |
7 一般負傷 | 他に分類されない不慮の事故をいう。 |
8 加害 | 故意に他人によって傷害等を加えられた事故をいう。 |
9 自損行為 | 故意に自分自身に傷害等を加えた事故をいう。 |
10 急病 | 疾病によるもので救急業務として行ったものをいう。 |
11 その他 | 転院搬送,医師・看護師搬送,医療資器材等の輸送,その他のもの(傷病者不搬送件数のうち,1から10の救急事故に分類不能のものを含む。)をいう。 |