○茨城町土採取事業規制条例
平成30年6月20日
条例第29号
(目的)
第1条 この条例は,土採取事業について必要な規制を行うことにより,土採取事業に伴う災害を防止するとともに採取跡地について緑化等による適正な整備を図り,もって自然環境の保全と住民の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(1) 土 土及び土に混入し,又は付着した物をいう。
(2) 土採取事業 一定の利用目的をもって土を採取する行為をいう。
(3) 採取場 土を採取する一団の土地をいう。
(4) 土採取事業者 土採取事業に係る工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自ら土採取事業を行う者をいう。
(適用事業)
第3条 この条例は,採取場の面積が1,000平方メートル以上又は採取場において採取する土の量が2,000立方メートル以上の土採取事業について適用する。
(1) 国,地方公共団体その他規則で定める公共的団体が行う土採取事業
(2) 他の法令の規定による許可等の処分その他の行為に係る土採取事業であって,規則で定めるもの
(土採取事業者の責務)
第4条 土採取事業者は,次に定める事項について,必要な措置を講じなければならない。
(1) 土採取事業に伴う災害の防止
(2) 採取場の周辺地域における道路,水路,橋りょう等の破損防止
(3) 土採取事業施工の際の安全対策及び公害防止
(4) 土採取事業施工後ののり面の保護
2 土採取事業者は,土採取事業により公共施設又は民間に係る建築物若しくは工作物を破損した場合には,速やかに,原状回復をしなければならない。
3 土採取事業者は,当該土採取事業の施行に係る苦情又は紛争が生じたときは,誠意をもってその解決に当たらなければならない。
(土地所有者の責務)
第5条 採取場の所有者は,土採取事業者が前条の規定により講ずる措置に協力するよう努めなければならない。
2 採取場の所有者は,近隣地権者に配慮し,当該土採取事業が適正に行われるよう協力しなければならない。
(土採取事業の許可)
第7条 土採取事業を行おうとする者は,当該土採取事業に着手する日の30日前までに,規則で定めるところにより,当該土採取事業に係る採取場ごとに土採取計画を定め,町長の許可を受けなければならない。
2 前項に規定する許可を受けようとする者は,申請書に規則で定める図書を添付して町長に提出しなければならない。
3 町長は,第1項の許可をするに当たり,住民の安全及び良好な生活環境を確保するため必要な条件を付すことができる。
(土採取計画に定めるべき事項)
第8条 前条第1項の土採取計画には,次に掲げる事項を定めなければならない。
(1) 採取場の区域
(2) 採取する土の量及び採取期間
(3) 土採取事業の方法及び土採取事業のための施設に関する事項
(4) 土採取事業に伴う土砂の崩壊,流出等の防止のための方法及び施設に関する事項
(5) 土採取事業に係る採取跡地の整備に関する事項
(6) 採取した土の搬出方法に関する事項
(7) 土採取事業の請負人及び現場責任者の住所及び氏名
(8) 前各号に掲げるもののほか,規則で定める事項
(1) 土採取事業に伴う災害の発生のおそれがあると認められるとき。
(2) 採取跡地の災害防止対策等が不十分で,かつ適正な環境保全を図るものと認められないとき。
(3) 土採取事業が他人に危害を及ぼし,又は公共の用に供する施設を損傷する等の公共の福祉に反すると認められるとき。
(4) 土採取事業を行おうとする者が次のいずれかに該当するとき。
ア 第18条の規定により許可を取り消され,その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては,当該取消しの処分に係る茨城町行政手続条例(平成8年茨城町条例第13号)第15条に規定する通知があった日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)
ウ 土採取事業に関し,不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
エ 茨城町暴力団排除条例(平成24年茨城町条例第1号。以下「暴排条例」という。)第2条第3号に規定する暴力団員等に該当する者
オ 法人でその役員のうちにエに該当する者がいるもの
カ 暴排条例第2条第1号に規定する暴力団又は同条第2号に規定する暴力団員と密接な関係を有する者
(許可の変更等)
第10条 第7条第1項の規定により許可を受けた者は,当該許可に係る土採取計画を変更しようとするときは,あらかじめ,規則で定めるところにより,町長に申請し,変更の許可を受けなければならない。
(開始の届出)
第12条 土採取事業者は,第7条第1項の規定により許可を受けた土採取事業を開始しようとするときは,当該土採取事業を開始する日の7日前までに開始届を町長に提出しなければならない。
(改善勧告)
第15条 町長は,土採取事業者又は請負人が規則で定める設計基準に違反して土採取事業を施工しているときは,改善するよう勧告することができる。
(改善命令)
第16条 町長は,土採取事業者又は請負人が前条に規定する改善勧告に従わないときは,それらの者に対し,期限を定めて必要な措置を命ずることができる。
(緊急措置命令)
第17条 町長は,土採取事業に伴う土砂の崩壊等を防止するため緊急の必要があると認めるとき又は法令等に違反若しくはそのおそれがあることにより採取場の適正な整備が行われないと認めるときは,当該土採取事業者,請負人又は現場責任者に対し,当該土採取事業の停止を命じ,又は必要な措置を採ることを命ずることができる。この場合において,当該土採取事業者,請負人又は現場責任者が当該採取場にいないときは,当該土採取事業に従事する者に対し,当該土採取事業の停止を命ずることができる。
(許可の取消し)
第18条 町長は,土採取事業者が次の各号のいずれかに該当するときは,その許可を取り消すことができる。
(2) 前2条に規定する命令に従わないとき。
2 町長は,第7条第1項の許可を受けた土採取事業者が,正当な理由がなく,その許可を受けた日から起算して6箇月以内に当該許可に係る土採取事業に着手せず,又は引き続き6箇月以上当該許可に係る土採取事業を休止したときは,当該許可を取り消すことができる。
(採取跡地に係る措置命令)
第20条 町長は,採取跡地について,第7条第1項の許可に係る土採取計画に適合しないと認めたときは,当該土採取事業者に対し,当該事項を当該採取計画に適合させるため必要な措置を採ることを命ずることができる。
2 町長は,前項の規定にかかわらず,当該土採取事業に伴う災害を防止するため必要があると認めるときは,当該土採取事業者に対し,当該土採取事業が完了し,又は当該土採取事業を廃止した日から2年以内に限り,期限を定めて必要な措置を採ることを命ずることができる。
(承継)
第22条 第7条第1項の許可を受けた者について,相続,合併,分割(当該許可に係る事業を行う権原を継承させるものに限る。)があったときは,相続人(相続人が2人以上ある場合において,その全員の同意により土採取事業を承継すべき相続人を選定したときは,その者),合併後存続する法人,合併により設立した法人若しくは分割により当該許可の全部を承継した法人又は当該土採取事業の譲受人は,当該届出をした者の地位を承継する。
2 前項の規定により地位を承継した者は,規則で定めるところにより,承継があった日から7日以内に,その旨を町長に届け出なければならない。
(保証金の預入等)
第23条 第7条第1項の許可を受けようとする者は,土採取事業の適正な履行並びに土採取事業区域及びその周辺地域における公共施設の破損及び災害の発生防止を保証するために,あらかじめ,町長と協議して定めた金融機関に,当該保証のための現金(以下「保証金」という。)を定期預金により預入しなければならない。
3 第1項の規定により保証金を預入した者は,速やかに,規則で定めるところにより,町と当該預入した保証金に係る質権設定契約を締結し,当該預入した保証金に町を質権者とする質権を設定しなければならない。
(保証金の使途)
第24条 保証金は,次に掲げる費用に充てるものとする。
(2) 土採取事業の許可を受けた者が採取した土の運搬,崩落,飛散又は流出により町の財産に損害を与えた場合における当該損害の回復のための措置に要する費用
(3) 前2号の措置により開始した事務管理に要する費用
(4) 次条の規定による質権の実行に要する費用
2 前項に規定する意見を述べる機会の付与については,茨城町行政手続条例第3章第3節の規定を準用する。この場合において,同条例第28条及び第29条中「弁明の機会の付与」とあるのは「意見を述べる機会の付与」と読替えるものとするほか,必要な技術的読み替えは規則で定める。
(1) 当該設定された質権に係る土採取事業について第7条第2項に規定する申請をしない旨又は申請を取り下げる旨を書面により申し出た者
(4) 当該設定された質権に係る土採取事業について第22条第2項の規定による届出をしない旨又は届出を取り下げる旨を書面により申し出た者
(5) 前各号に掲げる者のほか,町長が特別の事由があると認める者
(立入検査等)
第27条 町長は,この条例の施行に必要な限度において,その職員に,土採取事業者及び請負人の事務所,採取場又は採取跡地に立ち入り,土採取事業の状況若しくは帳簿,書類その他の物件を検査させ,又は関係者に質問をさせることができる。
2 前項の規定により職員が立ち入るときは,その身分を示す証票を携帯し,関係者の請求があったときは,これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(報告の徴収等)
第28条 町長は,この条例の施行に必要な限度において,土採取事業者及び請負人に対し,期限を定めて土採取事業に関し必要な事項の報告又は資料の提出を求めることができる。
(委任)
第30条 この条例に定めるもののほか,必要な事項は,規則で定める。
(罰則)
第31条 次の各号のいずれかに該当する者は,2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第7条第1項の許可を受けないで,土採取事業を行った者
第32条 次の各号のいずれかに該当する者は,50万円以下の罰金に処する。
(1) 第27条に規定する検査を拒み,妨げ,若しくは忌避し,又は質問に対して答弁をせず,若しくは虚偽の答弁をした者
(2) 第28条に規定する報告若しくは資料の提出をせず,又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
第33条 次の各号のいずれかに該当する者は,30万円以下の罰金に処する。
(1) 第12条に規定する届出をせずに土採取事業を開始し,又は虚偽の届出をして土採取事業を開始した者
(2) 第19条第1項の規定による届出をせず,又は虚偽の届出をした者
(3) 第21条の標識を設置しなかった者
(4) 第22条第2項の規定による届出をせず,又は虚偽の届出をした者
附則
(施行期日)
1 この条例は,平成30年9月1日から施行する。
4 前項の届出をするときは,規則で定める図面を併せて提出しなければならない。